債権回収における弁護士の役割とメリット

売掛金などの債権回収には莫大な手間や時間を要することも多く、一定の期間内に金銭を回収できなければ、時効にかかることにもなりかねません。

スムーズに債権を回収するためには、法律の専門家である弁護士へのご依頼がおすすめです。

今回は、債権回収における弁護士の役割と、弁護士に依頼することで得られるメリットについてご説明いたします。

債権回収における弁護士の役割

債権回収において弁護士は、企業の代理人という役割を果たします。

債権を有する企業に代わって、相手方への請求から交渉、必要に応じて裁判や強制執行まで、あらゆる手続きを代行してくれるのです。

このように、債権者の代理人として債権回収の手続きを行えるのは、一定の要件を満たした債権回収会社を除けば、弁護士だけです。行政書士は、相手方との交渉や裁判手続きを代理する権限を有していません。

司法書士のうち認定司法書士は、140万円以下の債権については相手方との交渉や裁判手続きを代理する権限があります。

しかし、簡易裁判所での裁判で勝訴したとしても、控訴されて地方裁判所に移行すると、認定司法書士でも取り扱えなくなります。

また、強制執行手続きも、司法書士では代理することができません。

債権回収に関する法的サポートを受けたいなら、弁護士へのご依頼が一番です。

債権回収を弁護士に依頼するメリット

債権回収を弁護士に依頼することで得られる具体的なメリットとして、以下の5点が挙げられます。

(1)債権回収の可能性が高まる

弁護士は、交渉可能な相手とは交渉し、任意に支払おうとしない相手に対しては、裁判を経て相手の財産を差し押さえるなど、的確な手段で債権の回収を図ります。

債権の時効完成が間近な場合でも、早急に内容証明郵便を送付するなどして時効完成を阻止してくれます。

そのため、弁護士に依頼することによって、債権を確実に回収できる可能性を高めることが可能です。

企業の担当者が自分で債権を回収しようとすると、交渉がもつれたり、相手が交渉に応じなかったりすると、お手上げになってしまうこともあるのではないでしょうか。

弁護士によるサポートを受けることで、泣き寝入りすることが激減します。

(2)早期に債権を回収しやすくなる

債権回収の依頼を受けた弁護士は、ただちに、内容証明郵便で相手方へ請求をします。弁護士名義の内容証明郵便には、相手方に強い心理的プレッシャーをかける効果があるので、これだけで相手方が債務を支払うこともあります。

内容証明郵便の送付だけでは債権を回収できない場合でも、弁護士は速やかに相手方と交渉し、相手方が任意に支払わないと判断すれば、裁判や差押えの手続きを迅速に進めてくれます。

このようにして債権を回収することで、自社の資金繰りもしやすくなるでしょう。

相手方が倒産すると債権を回収できなくなることにも成りかねませんが、弁護士に依頼すれば、倒産前に債権をスピーディーに回収できる可能性があります。

(3)強制的な債権回収も可能となる

相手方が任意に支払おうとしない場合でも、弁護士は強制的な法的手段で債権回収を図ってくれます。

具体的には、少額訴訟や通常訴訟などで勝訴判決を得た上で、強制執行を申し立てることにより、相手方の預金口座や売掛金などの債権、不動産や什器備品などの動産を差し押さえて、これらの財産の中から金銭を回収してくれます。

これらの法的手続きは煩雑ですが、債権回収を取り扱う弁護士にとっては手慣れた手続きなので、スピーディーに進めてくれます。

債務を支払おうとしない相手方に対しては、いつまでも交渉を続けるよりも、このような強制的手段で解決してしまった方がよいでしょう。

(4)柔軟な債権回収も期待できる

弁護士は強行的な手段で債権を取り立てるだけでなく、柔軟な交渉によって穏便な解決を図ることも可能です。

相手方との交渉により、分割払いなどの和解で少しずつ債権回収を図ることができることもありますし、その他にも、実情に応じて、解決を模索することが可能です。

弁護士は債権回収のノウハウを豊富に有しているので、当事者が穏便な解決を望む場合には、それに適した手段で解決を図ってくれるのです。柔軟な形で解決することにより、相手方との円満な取引を継続することも可能となるでしょう。

(5)面倒な手続きを任せられる

弁護士は企業の代理人として、債権回収のあらゆる手続きを代行してくれます。つまり、面倒な手続きは弁護士に一任できるということです。

依頼した企業の経営者の方や担当者の方は、自分で相手方と直接やりとりする必要はありませんし、裁判所などに出頭する必要も基本的にはありません。

債権回収にかかる手間や時間の負担が大きく軽減されますので、本来の業務に集中することが可能となるでしょう。

債権回収にかかる弁護士費用の目安

債権回収を弁護士に依頼するために必要な金額は、依頼する事務所や請求する金額、回収できた金額などによって変わってきます。

大まかな目安としては、以下のとおりです。

  • 着手金:請求する金額の5~10%程度(税別)、但し最低金額はあり。
  • 報酬金:回収した金額の10~20%程度(税別)
  • その他、実費など

なお、弁護士と顧問契約を結んでいれば、毎月一定の件数までは無料で相談できたり、着手金や報酬金が安くなったりすることもあります。

顧問料は別途かかりますが、顧問弁護士から継続的にアドバイスを受けることで、債権の未回収を回避しやすくなります。もし、債権の未回収が生じた場合には、優先的に対応してもらうことも可能です。

債権の回収メリットの他にも、顧問弁護士制度を利用することで、経営上のあらゆる法的リスクに備えることができます。このように、企業が健全な経営を維持する上で、弁護士役割は大きいといえるでしょう。

当事務所は、1983年の創業以来、東証プライム上場企業から中小企業、個人事業主の方の顧問弁護士として、多数の債権回収案件を解決してきました。

企業の債権回収のノウハウを熟知していると自負しておりますので、ご状況やご希望に応じて債権回収を行っていきます。

債権回収で弁護士へのご相談をお考えなら、お気軽に当事務所までご相談下さい。

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