日本では1997年頃から、「コンプライアンス」(法令遵守)という言葉が使われ始めましたが、現在でも年々、企業コンプライアンスの強化が求められています。
企業コンプライアンスを強化するためには、最低限、定期的に法務チェックを行うことが重要です。それも、顧問弁護士からの法務チェックを継続的に受けることが効果的といえます。
そこで、今回は、定期的な法務チェックの重要性や、顧問弁護士からの法務チェックを受けるメリットなどについて、ご説明いたします。
このページの目次
法務チェックとは
法務チェックとは、企業の業務内容や社内規程、契約書などに問題やリスクがないかを、法的観点から確認することです。「リーガルチェック」とも呼ばれています。
リーガルチェックというと契約書の確認・修正が有名ですが、それは法務チェックの一部に過ぎません。企業コンプライアンスを強化するためには、さらに幅広く法務チェックを行うことが重要です。
まず、就業規則などの社内規程や業務マニュアルの内容に法的な問題がないか、その内容を遵守して適正に業務が運営されているかを確認する必要があります。
従業員の雇用や就労に際して、労働基準法などの法令が遵守されているか、職場におけるハラスメントの防止措置が適切にとられているかなど、労務管理の確認も欠かせません。
また、自社の商品やサービスが、他社(他者)の著作権、商標権、特許権などの知的財産権を侵害していないかの確認も必要です。
広告や商品の表示が景品表示法、特定商取引法、薬機法などの法令に準拠しているかも確認しなければなりません。法務チェックは、自社の業務全般にわたって法的なリスク管理を行うものです。
定期的な法務チェックの重要性
法務チェックは一度だけでなく、定期的に行うことが重要です。
その理由は、以下のとおりです。
(1)法改正に対応する必要があるため
法令はしばしば改正されますし、新たな法令が制定されることも珍しくありません。
法改正に気付かないまま企業運営を続けると、知らないうちに違法状態になるリスクがありますので、企業活動が現行法を遵守できているかを定期的に確認する必要があります。
(2)法的リスクを早期に発見して対応するため
定期的に法務チェックを行うことで、法的リスクを早期に発見し、深刻なトラブルに発展する前に対処することも可能になります。
企業活動には法的リスクが伴うものですが、放置すると訴訟問題や刑事告発、行政処分などに発展するような問題でも、早期に対処することで穏便に解決できる可能性が高まります。
トラブルの解決に要する労力や時間、費用などを削減することにもつながるので、効率的な企業運営の実現にも役立つでしょう。
(3)会社の実情に応じて社内規程を整備するため
会社の実情は、時の経過に伴い変化していきます。事業を多角化するなどして成長を遂げる会社もあれば、事業を縮小する会社もあるでしょう。
このような変化に伴い、過去に作成した社内規程や業務マニュアル、契約書などが会社の実情に合わなくなることもあります。
定期的に法務チェックを行うことで、社内規程や業務マニュアル、契約書などの内容を、随時、最適化することが可能です。
(4)企業イメージを高めるため
定期的に法務チェックを行うことは、経営者や役員、従業員のコンプライアンス(法令遵守)意識を高めることにもつながります。
そうすることで、取引先や顧客からの信頼も高まり、企業イメージが向上することも期待できるでしょう。
法務チェックで顧問弁護士を活用するメリット
法務チェックには、専門的な法律知識を要するため、弁護士に依頼して行うのがおすすめです。
それも、その都度依頼するのではなく、顧問弁護士に定期的な法務チェックを依頼することで、以下のメリットが得られます。
(1)専門性の高いアドバイスが受けられる
多くの企業の顧問弁護士を行っている弁護士であれば、企業運営の中で発生しやすい法的問題を熟知しています。そして、その法的問題に対する解決策も熟知しています。
そのため、そのような顧問弁護士を活用することで、より専門性の高いアドバイスを受けることが可能です。
(2)継続的なサポートが受けられる
顧問弁護士がいれば、継続的なサポートが受けられます。
一般的な弁護士にその都度依頼する「スポット契約」では、弁護士に自社の情報を一から説明しなければなりません。
同じ弁護士とスポット契約を繰り返す場合でも、前回の法務チェックから現在までの状況の変化などを細かく説明する必要があります。
弁護士が自社の実情や状況の変化を詳細に把握してくれなければ、法務チェックの精度にも不安が残ります。
しかし、顧問弁護士は日頃から自社の実情を熟知していますので、精度の高い法務チェックを継続的に提供してくれます。
(3)安心して業務運営に集中できるようになる
顧問弁護士による定期的な法務チェックにより、経営陣や従業員は、法的リスクを過度に気にすることなく、安心して業務運営に集中できるようになります。
企業として、本来のパフォーマンスを発揮することが可能となるので、業績の向上も期待できるでしょう。
顧問弁護士をお考えの方は当事務所まで
当事務所は、1983年の創業以来、東証プライム上場企業から中小企業、個人事業主の方の顧問弁護士として、多種多様な法務チェックを行ってきました。
もし、顧問弁護士をお考えであれば、お気軽に当事務所までご相談下さい。