整体院・治療院の立ち退き料の相場とは?弁護士が解説

整体院・治療院の立退きの際には、「立ち退き料」が問題になることがほとんどですが、その相場はどれぐらいでしょうか。

今回は、借主側の立ち退き案件に注力する弁護士が、整体院・治療院の「立ち退き料の相場」について、過去の裁判例をもとに解説します。

1.整体院・治療院の立退料の相場

以下では、整体院・治療院の立退料が問題となった裁判例を紹介します。

立退料に関するイメージを付けて頂ければと思います。

(1)立退料2043万円の事例

東京地裁令和4年6月27日判決は、美容鍼灸整体院の事例で、立退料2043万3000円を認めました

■前提情報

使用目的:美容鍼灸整体院

月額賃料:46万5000円(消費税別)

賃借期間:13年

■立退料の認定額

2043万3000円

■立退料の内訳(①から⑤までの合計額)

①借家人補償額623万5000円

②動産移転料(引っ越し費用)76万8000円

③移転雑費106万8000円

④営業休止補償868万4000円

⑤工作物補償額367万8000円

(2)立退料769万円の事例

東京地裁平成24年8月27日判決は、鍼灸按摩マッサージ指圧師として一人で稼働していた方の事例で、立退料769万2486円を認めました

■前提情報

使用目的:鍼灸按摩マッサージ指圧

月額賃料:19万9500円(消費税別)

賃借期間:6年間

■立退料の認定額

769万2486円

■立退料の内訳(①から⑤の合計額)

①借家権価格の補償→350万円

※借家権とは、借地借家法が適用される建物の賃借権のことを言います。

そして、借家権価格の補償とは、借主は、借家権自体に認められる財産的価値を建物の明渡しに伴い、失うことから、これを補償しようとするものです。

②内装等の費用→244万4571円

③動産移転料→6万6300円

④移転雑費補償→30万1625円

⑤営業休止補償→137万9990円

2.整体院・治療院の立退料に関する考察

一般的に、店舗やテナントの立退料の相場は、月額賃料の2年~3年分程度と言われています(執筆弁護士の肌間隔としては、月額賃料の50か月分が目安となっている印象です)。

そして、上記で紹介した裁判例を見てみると、整体院・治療院に関して、月額賃料と立退料の対応関係は、下記の形になります。

(1)立退料2043万3000円の事例月額賃料44か月分

(2)立退料769万2486円の事例月額賃料38か月分

これらの数字を見ると、過去に解説した飲食店の事例や、美容室の事例に比較すると、控えめな数字となっています。

その理由を考えると、整体院・治療院の場合には、飲食店の事例ほど営業補償が認められていない点、美容室の事例ほど設備補償が認められていない点が挙げられます。

整体院・治療院の場合、飲食店ほど立地に左右されるわけではなく、美容室ほど持ち出せない設備が多くない辺りが理由になってくると考えられます。

以上を踏まえてあえて目安を申し上げるとすれば、整体院・治療院の立退料としては、月額賃料の36か月分(3年分の賃料)を超えているか否かが、一つの目安であると考えています

但し、本当に事例ごとに異なるので、立ち退きを求められた際には、可能な限り早く、弁護士に相談に行って頂くことをお勧めいたします。

3.最後に

今回は、整体院・治療院の「立ち退き料の相場」について、解説しました。

当事務所は、1983年創業の法律事務所であり、これまで多数の立ち退き案件に携わってきました。

特に、立ち退きを求められた借主側での対応に注力しており、立ち退き案件について、確かな実績とノウハウを確立しています。

以下は、過去に当事務所が解決した立ち退き案件の一例です。

■立ち退き案件の解決事例

立ち退き交渉で当初立退料950万円から4500万円に増額させた事例

立ち退き交渉で当初提示額の4倍以上の立退料を獲得した事例

立ち退きを求められてお困りの事業者様は、お気軽に当事務所にご相談頂ければと思います。

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