弁護士を就けて解雇理由証明書の交付を求めてきた元従業員からの請求に対して、解雇無効の主張をさせずに、約2か月での早期解決に成功した事例【解決事例】

キーワード 

解雇理由証明書、不当解雇、解雇無効、示談交渉、早期解決

ご相談内容  

ご依頼者は、運送業や倉庫業を営む企業様です。

自社のドライバー(従業員)が2度目の交通事故を起こしたため、役員がその従業員と話をして、その従業員がその日付けで会社を自主退職することになりました。

しかし、会社は当該従業員から、退職届けを受領できていませんでした。

すると、当該従業員が依頼した弁護士から会社宛てに、解雇理由証明書の交付を求める書面が届きました

そのため、会社としても、弁護士に依頼をしようと考え、当事務所に依頼をされました。

当事務所の対応及び結果

元従業員が弁護士を就けて、解雇理由証明書の交付を求めてきた場合、その後、会社に対して、解雇無効の主張をしてくることが多いです

そのため、当事務所としては、相手方からの解雇無効の主張を封じる必要がありました。

そこで、当事務所においては、①当該従業員が会社を自主退職したこと、②会社を自主退職することになった際の役員と従業員との会話、③当該従業員が会社を自主退職することになった経緯などを、証拠をもとに詳細に主張し、相手方から解雇無効の主張が出ないように誘導しました。

③の自主退職することになった経緯は、解雇が合理的理由に基づくものといえるかの議論にも通じる内容です。当事務所は、ドライブレコーダーなどをもとに、当該従業員が今後ドライバーとして業務を行うことが難しく、会社に復職をさせることが、当該従業員のためにもならないことを相手方弁護士に理解してもらうよう努めていきました。

その甲斐あってか、最後まで、相手方から解雇無効の主張を受けることなく、約2か月で合意書を締結することができました

合意書の内容は、会社が元従業員に対して、①給料1か月分と、②その人に賞与として支払予定であった金額を支払うことをもって、紛争を全て解決する旨の内容となっています。

なお、②の賞与の話が出てきたのは、問題となった出来事が、賞与支給月での出来事であったためです。

ご依頼時に会社が希望されていた条件よりも、当方にとって有利な条件での解決となり、ご依頼者にも、大変ご満足頂ける結果となりました。

コメント

解雇が絡む案件の場合、企業側には、いわゆるバックペイの危険が生じるため、慎重に対応する必要があります

バックペイとは、解雇が無効と判断された場合に、会社が当該従業員に対して、解雇日まで遡って支払う必要のある賃金のことを言います。中小企業の場合でも、バックペイが1000万円以上となることも珍しくありません。

この事案でも、企業にバックペイの危険が生じることが危惧されたため、不必要に相手方からの反感を受けないようにする一方、当方の主張を裏付け証拠とともに詳細に主張していきました。

また、バックペイとの関係で、解決までの期間を可能な限り短くするために、ご依頼から3日後に送付した書面で、当方が行うべき主張を全て出し切り、それ以降も相手方代理人に適宜催促を行うなどして、早期対応を求めていきました

当然ですが、この催促も相手方代理人から反感をもたれないように気を遣いながら行っています。

これらの甲斐もあって、ご依頼から約2か月という短期間で、ご依頼者が大変ご満足頂ける内容で、合意書を締結することができたものと考えております。

当事務所は、1983年の創業以来、東証プライム企業から中小企業、個人事業主の方の顧問弁護士として、これまで数多くの労働問題を解決してきました。

労働問題でお困りの企業様は、お気軽にご相談頂ければと思います。

※特定できない程度に内容をぼかしています。

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