近年、再開発を理由とした立ち退き要請が増えています。
再開発による立ち退き要請を受けた場合、通常の立ち退きとは異なる点があり、注意が必要です。
今回は、再開発を理由に立ち退きを求められた時の注意点について、借主側での立ち退き案件に注力する弁護士が解説します。
このページの目次
1.再開発にも種類がある
まず、「再開発」には、2種類のものが存在します。
①都市再開発法という法律に基づく再開発と、②法律に基づかない再開発です。
この①の法律に基づく再開発は、一般的に「法定再開発」と言われ、通常の立ち退きとは異なる独自のルールが適用されるため、注意が必要です。
他方、②の法律に基づかない再開発については、通常の立ち退きと同様の問題が生じるにとどまり、法定再開発のような独自のルールは適用されません。
2.法定再開発の場合の注意点
(1)強制的に立ち退きをさせる手段がある
通常の立ち退きと最も大きく異なる点は、相手方が強制的に立ち退きを実現する手段を有している点です。
具体的には、法定再開発の場合、最終的には行政代執行法に基づく強制的な明渡しが行われる可能性があります。
実務上、このような強制的手段が実際に用いられる場面は極めて限定的であり、慎重な運用がなされています。
しかし、相手方がこの手段を持っているせいで、立ち退き要請を拒否し続けることが事実上難しくなっています。
(2)「権利変換」か「立ち退き料受け取り」かを選択する
法定再開発の場合には、解決手段として、次のいずれかを選択することになります。
①再開発後の新しい建物での権利を取得する「権利変換」
②再開発区域から退去する代わりに立ち退き料(補償金)を受け取る
どちらを選択するかは、その再開発区域での営業や居住をどこまで重視されるかによっても異なります。
ただし、一般的に、再開発区域に戻り新しい建物で営業等を再開できるまでには、4年以上かかる場合が多いといわれています。
そのため、事業継続や生活設計を踏まえた慎重な判断が求められます。
(3)立ち退き料等の支払基準がある
法定再開発の場合には、立ち退き料等の支払に関して、用地対策連絡協議会基準(「用対連基準」と言われています)に基づき算定されます。
この基準は、立ち退き料のみならず、法定再開発の際に生じる損害一般の支払に関する基準になります。
立ち退きを求められている側が、相手方の提示金額に異議を述べるためには、この「用対連基準」に基づき、損害額を算定して反論することが必要です。
3.まずは弁護士に相談を
再開発を理由に立ち退きを求められた場合、まずは、立ち退き案件に注力する弁護士に相談されるのをお勧めします。
なぜなら、再開発を理由とした立ち退きは通常の立ち退きとは異なる複雑な規律が関わるため、早期に専門家の助言を得ることが、重要だからです。
立ち退き要請を受けてから時間が経過すると、対応の選択肢が制限される場合もあります。
そのため、再開発を理由とする立ち退き要請を受けた時から、早めに方針を立てることが、権利保護のために非常に重要です。
4.最後に
今回は、再開発を理由に立ち退きを求められた時の注意点について、解説しました。
当事務所は、1983年に創業した法律事務所であり、これまで多数の立ち退き案件に携わってきました。
特に、立ち退きを求められた借主側での対応に注力しており、立ち退き案件について、確かな実績とノウハウを確立しております。
当然、再開発を理由とする立ち退き案件についても対応経験がございます。
再開発を理由に、立ち退きを求められてお困りの事業者様は、お気軽にご相談ください。

1983年の創業以来、京都市を拠点に企業法務に注力してきました。現在では、東証プライム上場企業から中小企業、ベンチャー企業まで、約50社の顧問弁護士として継続的なリーガルサービスを提供しています。
労働問題、債権回収、クレーム対応、契約書のリーガルチェック、事業承継など、企業活動におけるさまざまな課題に対応しており、数億円規模の訴訟案件など、訴訟・紛争案件の解決実績も豊富です。
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