自社の商品を盗んだ従業員に対して、父親の連帯保証付きで、1000万円以上の賠償金支払に関する公正証書を締結した事例【解決事例】

キーワード 

従業員による窃盗、支払に関する公正証書、父親の連帯保証、強制執行認諾文言

ご相談内容  

ご依頼者は、店舗運営を行う事業者様です。

自社の従業員が、お店の商品を盗んだことが判明しましたが、会社としてはどのように対応すればよいかを苦慮されていました。

そのため、今後の対応を任せるため、当事務所に依頼をされました。

当事務所の対応

まず、弁護士が当該従業員と面談をして、事実確認を行いました。

その従業員は、面談でもお店の商品を盗んだことを認めたため、弁護士からその従業員に対して、盗んだ商品の詳細や、いつから窃盗を行っているのか、その商品を売却した買取店の情報や売却金額がいくらかなどについて、詳細に確認していきました。

また、その従業員の資産状況の確認も行いましたが、当該従業員は資産がなく、むしろ借金がある状況で、一括で、まとまった解決金額を支払ってもらうことが難しい状況でした。

その後、弁護士が、その従業員の配偶者や両親とも面談しましたが、両者とも、まとまった金銭は持っておらず、唯一、両親が父親名義で自宅不動産を有している状況でした。

そこで、最終的には、本件に関する解決金を1000万円以上とすること毎月分割払いを行っていくこと父親が連帯保証を行うこと仮に分割金の支払を1円でも怠ったときは、一括して残金を返済することその場合は、父親も含めて、直ちに強制執行を受けることを認めることなどを内容とする、公正証書を締結しました。

また、併行して、弁護士と当該従業員との初回面談後、速やかに、当該従業員から、退職届けを受け取り、雇用関係の整理も行っています

コメント

自社従業員の窃盗(横領)が判明した場合には、①被害金額の回収、②雇用関係の整理、③警察への対応が必要になってきます。

そして、②の雇用関係の整理については、基本的には、解雇を選択するのではなく、当該従業員に自主退職をしてもらった方がよいです。

なぜなら、解雇を選択すると、従業員側から後に不当解雇であると主張されるリスクが高くなってしまうからです。

「基本的には」と記載しているのは、就業規則の規定上、従業員に自主退職をさせてしまうと、その従業員に退職金を支給する必要が生じるなどの、解雇を選択した方がよいケースも存在するためです。

また、②の雇用関係の整理については、速やかに行っておく必要があります

なぜなら、仮に自宅待機をさせていたとしても、雇用関係を整理するまでの期間の給与が発生するのではないか等の新たな問題が生じるためです。

なお、解雇ではなく、自主退職を選択すると、他の従業員に会社の対応が甘いと思われてしまい、他の従業員が同種の問題を起こすことになりかねないのではないかとのご質問を頂くこともあります。

しかし、そちらの観点については、③の警察への被害届けの提出で足りると考えています。

会社が警察に被害届けを出しておけば、他の従業員からしても、同じことをすれば、警察沙汰になってしまうという抑制が働きます。

この事案でも、当事務所へのご依頼前に、警察への被害届けを出してもらっています。

当事務所は、1983年の創業以来、東証プライム企業から中小企業、個人事業主の方の顧問弁護士として、これまで数多くの労働問題を解決してきました。

労働問題でお困りの企業様は、お気軽にご相談頂ければと思います。

※特定できない程度に内容をぼかしています。

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